浅野氏に聞いた!実はしっかりとある財閥の定義

浅野総一郎

1.浅野総一郎による財閥の解説

基本的に日本には財閥は存在しないと言われています。

戦前までは存在していましたが、戦争に負けたことで解体を余儀なくされ、そのような形態、グループは存在するものの、明確なものではないというのが実情です。

韓国などではこのような形態が幅を利かせており、複数のグループに分けることができます。

一見すると定義などはなく、同じようなグループ企業であれば財閥になるイメージですが、ホールディングスとは違い、明確な定義がしっかりと存在していると実業家の浅野総一郎は解説しています。

※参考・・・浅野総一郎逮捕

なので、その定義を答えられるようになれば確かな知識が身につきます。

2.家族経営もしくは同族経営であること

定義として最初に出てくるのが家族経営もしくは同族経営であることです。
親会社がいわゆる家族経営ないし同族経営を行い、そこが中心となって子会社を束ねていくことにより、そのような呼ばれ方がされるということです。

このあたりはホールディングスに近いものがありますが、あくまでも親会社が子会社を束ねるという部分だけであり、その中心に座るのは特定の一族ということになります。

韓国を見てもそのような形になっており、トップである会長が亡くなれば息子や娘婿などが遺志を引き継ぐなどして対応をしていくような流れです。

また、1つの事業で成功を収め、複数の事業でも同じように成功をして企業をどんどん増やしていくことで財閥に発展するケースもあります。
以前であれば鉱業で成功を収め、他の分野でも成功をしていくことで多角的に経営ができるようになり、グループ化させるケースが有名です。

企業買収で増やしていくようなケースもありますが、それよりも自分たちで新たな企業を1つずつ増やしていくような形がホールディングスとは違う要素と言えます。

ホールディングスは単にグループを形成しているだけであり、企業買収や自主的な創立などの要素は関係ありません。

3.財閥が大きな力を持っていた理由とは?

なぜ財閥が大きな力を持っていたのかといえば、国とのパイプが太かったことにあります。
何でもこなすことができるので、何か国が大きなことをしたい場合や外国との交渉をする際に民間レベルでお願いすることも出てきます。

その際に自分たちだけでできることはあるものの、民間レベルではできないこともあり、頭を下げてお願いすることもあります。
それがプラスに働き、政治家とのパイプができるようになり、最終的に大きな力を得ていくようになります。

国を支える基幹産業を多く抱えているからこそ、相当な配慮を見せなければならないというのがあると浅野総一郎は言及しています。

そのせいか、大企業の会長や社長の子供が政治家の子供と結婚をするケースが多いです。
これにより、特定の政治家のパイプが確保できるだけでなく、その政治家が有力者になっていけば、その企業の力はその分増していきます。

これが複数の企業を束ねる場合には、いわば後ろ盾、後見人のような形でその政治家の名前を出すことが可能です。
こうした政治家とのつながりは定義の1つになっています。

明治時代から財閥に関して言われてきましたが、明治時代からすでに政治家とのつながりは重視しており、官業払下げの際にはそこに流れていくことになります。

政治

4.政治と企業の癒着は明治時代からあった

現代で考えれば、何の競争もなく特定の企業に国の財産を簡単に売り渡すようなものです。
現代で同じことをすれば大問題になるようなことが明治時代は許されていました。

その見返りに政党に対し企業献金のようなものが行き渡った形です。
今の日本に通じるものがありますが、結局そうなると政治家はお金を出してくれる方に目を向けて仕事をするようになります。

ただ明治時代は企業の存在なしに発展することはできないと思われており、国のために多少仕方がないことと捉えられていた形です。
今なら考えられないですが、致し方ない部分もあったと言えます。

このような形で戦中までの日本は財閥と政府がいわば二人三脚のような形で一緒に歩んでいきました。
だからこそ、戦後になって目をつけられてしまったというのが実情です。

この国を抜本から変えるためには何をすればいいかを考えたときに解体しかなかったというのは自然です。
これにより、強固な関係性だったグループは次々に解体されていき、政府との関係性も見直されていきます。

5.浅野総一郎による財閥のまとめ

もちろん、解体されてからまた一緒になるケースもありますが、いわゆる家族経営や同族経営からは一線を画する存在になっており、実質的にはもう存在していません。

もちろん今からそれを目指すことは十分に可能です。
特定の経営者が子供や娘婿などを引き入れて、これまでに創立した子会社を率いるようにすればいいからです。

ただ、特定の経営者の発言力が強くても、その経営者の息子や娘婿が出てくるようなケースにはなりにくく、現状としては非常に難しいと言えます。
株式公開をされている中で家族経営や同族経営を行うのはリスクが大きく、ちょっとした揉め事が起きればすぐお家騒動と揶揄されてしまいます。

作ってしまえば強力ですが、作るまでが大変です。